下部構造論の再来か?
厚生次官殺傷事件の犯人が逮捕された。動機は思ったよりも個人的なもののようだ。
こうなると、また「こういう犯人が出るのは、~という社会構造が真の原因で・・・」などという「社会を決定する真の構造」とかが持ち出され、「それを改善しないと・・・」などといって自分の持論を押しつける論法がまた出てくるのだろう。
事件が異常であればあるほど、こうした論法は跋扈することとなる。理解がおぼつかない事件であるがゆえに、自分の好き勝手な「下部構造」を滑り込ませる余地が大きいからだ。こうして通俗評論家の事件「分析」が出来上がって、読者はというと自分にとって受けのいい「分析」にもたれかかることとなるのだろう。
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