シンボル化する大麻
大麻を所持していた高校生が逮捕されたらしい。
大麻というと麻薬指定されており、非常に危険なものである印象が強いが、たとえばアメリカ国立薬物乱用研究所の報告だと、マリファナ=大麻のランクはアルコールやニコチン、カフェインと比べても非常に低い。
こういう状況を鑑みると、むしろ大麻に手を染めるのは、純粋に大麻がほしいというよりも(ならば酒なりタバコなりの方が効果的なので)、「悪いことをしてみたい」という人間心理によるものが大きいと考えられる。社会的反抗を行ってみたい、なんとなく法を破った方が格好いい、こういう感情が大麻へと人々を追いやるのだろう。世間で言われるような快楽などによるものはむしろ弱いと思われる。
この事実は逆説的に、「身体への悪影響が弱いにもかかわらず」大麻を規制することの妥当性を説明するようにも思える。つまり、ただ「悪いことをしたい」という心理による悪行の与える被害が最小限に抑えられるからである。もし身体的ダメージのみに基づいて合法・非合法を線引きした場合、「悪いことをしたい」ことによる悪行の与える被害は、必然的に合法の範囲内のものよりも大きなダメージを身体に与えることになる。しかし、身体へのダメージの軽いものをあえて非合法化しておくことで、「悪いことをしたい」人が、合法なものよりも軽いダメージでしのげることは、社会的にはプラスである。
ただしもちろん、大麻が暴力団の資金源となる問題や、より強いドラッグへ傾倒しかねない問題、さらには吸引方法次第で身体へのダメージが格段に大きくなるという問題などは存在している。
だから、こうした点のバランスを考えつつ、規制と取り締まりの強さを考えていくべきだと思われる。
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