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世界とはメディアなのか~再び中川大臣の記者会見について

政治家の職務とは字義どおり政治活動及び交渉の遂行であり、政治家にとっての「世界」とはすなわち第一に「他国の政治家や官僚」を指すのは自明である。

だから、政治家の失敗というのは、他国政治家との政治交渉で失敗したような事態を指す。たとえば、自国に不利な条約を結んでしまったとか、そういうことをいう。世界に対する侮辱的行為というのも、たとえば他国の政治家を軽んじて扱うとか、そういうことを指す。

メディアサービスというのはそうしたことを押さえた上でなお余裕があるのならば行うべきことであり、政治家の評価基準は第一に政治活動の成果にかかるのは言うまでもない。


その観点から言って、中川に何か問題はあったのだろうか。

彼はローマでIMFの専務理事ストロスカーンと会談し、IMFへの1000億ドルの融資を決め、ストロスカーンから「世界が経済的、金融的に直面する試練に対し多面的なアプローチで対処を続けることへの日本の主導的立場とコミットメントを如実に示している」との評価を受けている(ロイター参照)

きちんと政治を分析する人間は、こういうところで日本の行動を見て、その妥当性を判断するものだ。

外交官が、いかに体調がすぐれないとはいえ、結ぶべき合意を決裂させたり、逆に認めるべきでない合意をしてしまったならば、それは一定の責任があるだろう。

だがそうした職責はきちんと果たしている以上、メディアに対するリソース配分が残っていなかったとしても、それはどうでもいいことではないか。


メディアは、自分たちことが世界であり、自分たちこそが最優先されてしかるべきと信じ込んでいるのだろう。
だから、自分たちよりも優先されるべき事案にリソースが割かれ、自分たちのところにリソースが残っていなかったからメディアは不満をもらしているのだろう。

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