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核保有の議論について

読売新聞によると

 自民党の7日の役員連絡会で坂本剛二組織本部長が北朝鮮のミサイル発射に対し、日本も核保有すべきだと述べた。

 坂本氏は「向こう(北朝鮮)は核を保有している。日本も『核を保有する』と言ってもいいのではないか」と述べ、国連脱退にも言及したという。

 坂本氏はその後、記者団に、「日本が核武装も国連脱退もできないことはわかっている。ただ、北朝鮮に強く臨むため、例え話をした」と説明した。

 これに対し自民党の山崎拓・前副総裁は山崎派のパーティーで、「『日本も核武装して北朝鮮に対抗しよう』という意見が、公然と党の会議で言われることは非常に憂慮すべきだ。極端に言えば人類を破滅に導く議論だ」と強く批判した。

とりあえず核保有に関する日本の行動としては

1 核保有しないというコミットメントを行う
2 核保有する方にもしない方にもコミットメントしない
3 核保有するというコミットメントを行う

の3つがありうる。(ただしここでいう「コミットメント」はゲーム理論的な意味で用いており、「一定の条件が満たされている場合には、自分にある行為を強制するような状況にすること」を指す)

現在の日本は政府が非核三原則の継続遵守を表明しているので、1の状況である。
上記坂本発言が2への移行を意味しているのか3への移行を意味しているのかは不明だが、3の場合にしても実際に保有する必要はなく、北朝鮮が日本のコミットメントによって行動を変化させることで、「一定の条件」というのが満たされず、結果核保有しないで終わることも十分ありうる。(警察が犯人に「降伏しなければ射殺する」といい、結果犯人が降伏して逮捕された場合、警官は犯人を「条件が満たされたら射殺する」とは言ったが実際には射殺していない。これと同じ)

もちろん、1~3のどの選択をどのような条件ですれば、北朝鮮の脅威を最も低減させられるか、は国際政治学の中でも意見が割れるだろう。核は主要国では拡散した方がかえって平和が実現されるという議論も存在する(たとえばケネス・ウォルツの“The Spread of Nuclear Weapons: More May Better,”

だがとりあえず言えることは「日本が1~3のどの戦略をとるのが北朝鮮の脅威低減および安定化にとってよいのか」は議論されるべき問題であるということである。




だから、山崎拓がこのうち1の方法が最も良い選択であると主張するのは別にいいのだが、「1~3のどれが最適かを議論してはならない」というのは問題だといえよう。彼がするべきは自分と異なる主張への「反論」であって「議論自体の封殺」ではないはずだ。

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