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二酸化炭素削減目標05年比採用を評価する

二酸化炭素削減目標を05年比で採用したことについて、毎日新聞では「意志と理念が伝わらぬ」と酷評しているが、個人的にはアンフェアな90年比を離脱したことの意義を評価したい。

もともと、90年時点において、日本は環境対策が相当に進んでいたのに対し、欧米諸国は対策が遅れていた。特にEUは、環境対策がほとんど進んでいなかった東欧がくっついた直後なので、環境対策するのびしろが山のようにあった。
その点をきちんと踏まえれば、90年を基準にして削減目標を設定するというのは、もともと欧米諸国が不当に有利なゲーム設定になっているのである。

上記毎日新聞では「これでは削減幅を大きく見せようとしていると指摘されかねない。」と言っているが、そうした批判が成立するためには90年を基準とすることが合理性を有していることを前提とせざるを得ない。ところが、「なぜ90年比が妥当なのか」という問いには一切答えず、90年比の不当なアンフェア性を一部解消させた05年比を「ずるい」とばかりに批判する。これは欺瞞的だとさえいえよう。

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