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世論調査と支持率のずさんさ

「「政権交代」波にのまれ 自民の支持率低迷 首相に挽回秘策は」(産経新聞) によると

衆院の任期満了が3カ月後に迫る中、フジテレビの「新報道2001」が毎週実施する首都圏世論調査(500人対象)で、民主党支持率が過去5年間で最高値を記録する一方、自民党支持率は長期低迷傾向に歯止めがかからない実態が浮き彫りになった。

とりあえず、世論調査毎週やって何の意味があるんだよ。最近はどこの社もそうだけど、世論調査しすぎ。遊んでるんじゃないのか、っていうぐらい。まさに「ゲーム感覚」

そしてどうせ3%上がった下がったとかそのぐらいで騒いでいるんだろうけど、回答500人、得られた支持率を30%として、信頼水準99%の信頼区間(誤差)は±5%もあるんだから、いったい何を騒いでいるんだかって話。(計算は一番下)

次に

「政権政党の矜持(きょうじ)」を掲げる麻生太郎首相だが、日本郵政の社長人事などで迷走が続き、内閣支持率も頭打ち状態。首相に起死回生の秘策はあるのか。

別に内閣支持率をあげることが内閣の仕事ではないと思うんですが。

「起死回生の秘策」とか「挽回秘策」とかいうけど、そりゃ「沈滞する経済を回復させる秘策」とかは必要かもしれんが、「支持率回復の秘策」とか別にしなくていいわけで。支持率回復の秘策に頭をひねるよりは目の前の政治問題をきちんとこなすことが重要に決まってる。



あと

「民主党の鳩山由紀夫代表は『政権交代』と盛んに言っているが、政権交代は手段であり目的ではない。政権交代で何をやるのか。今後も引き続き党首討論を求め、財源の裏付けや安全保障政策などで違いを明確にしていきたい」
(中略)
だが、首相の意気込みは、「政権交代」という言葉への恐怖の表れといえる。与党が民主党の個々の政策をどう批判しても「一度政権をやらせてみないと分からないではないか」と抗弁できるからだ。

いやどうみても抗弁になってないだろ。

「やらせてみないと分からない」って、今民主党の出している個々の政策の不備が指摘されていて、かつそれへの反論が出来ないんだったら、要するにその政策には不備があるのは明らかで、そんなことは実際にやってみなくてもわかる。

「やってみなきゃ分からない」っていうのは、「民主党は今まで政権を担当したことがないから、おそらく政権担当能力はないはずだ」とか「何か不測の事態が起きるかもしれないだろ」とかそういう批判には有効だろうけど、「財源の裏付けや安全保障政策」という明らかに具体的な政策への具体的な批判がなされている際に「やってみなきゃ分からない」って言ってしまうならば、要するに実際政策をやるチャンスが来るまで具体的政策は何も考える気はない、って宣言するようなものだし。

【計算】

二項分布Bi(1、p)(要するに確率pで賛成となる分布)の、信頼水準1-αのpの信頼区間は

p±Z(α/2)√p(1-p)/N

で与えられる。(Zは正規分布のパーセント点。Nは母集団の人数)

今回はp=0.3、α=0.01、N=500なので代入して計算すると

0.3±0.05

つまり支持率30%は、信頼水準99%のもとでは正しくは30±5%となる。

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