民主党は人権弾圧を黙認する
岡田幹事長は、「民主党は結党以来、一貫して日中関係を重視してきた。鳩山由紀夫代表や小沢一郎代表代行を始めとする党幹部たちは各々の政治活動において常に日中関係重視の姿勢を示してきた」と述べ、政権交代が実現すれば日中関係はより一層発展すると強調した。同幹事長自身も年に1度は訪中しており、すでに15回の訪中歴があるという。
また、第2次大戦中のA級戦犯が祀られている靖国神社に日本の首相が公式参拝することに中国が強く反発している問題については、「A級戦犯は先の大戦の罪人だ。首相が公式参拝すべきではない」と述べ、チベット問題やウイグル問題については「中国国内の事情だ」とし、「中国への内政干渉は行うべきではない」との見解を示した。(翻訳・編集/NN)(Record Chine)
靖国については、岡田の主張の疑問な点もあるが、まあ個人の信条として行きたくないのなら行かなきゃいいので、これは勝手にしなさいなのだが、問題はチベットの方。
なんですか、要するに中国での人権弾圧は放置しますっていうことですか。アメリカではリベラルな民主党のうちより親中的なヒラリーでさえ、チベットの人権弾圧を厳しく非難してたというのに、日本の民主党のこの体たらくっぷりはいったい何だろうか。
「日中関係」というのを、「中国」ではなくて「(今の)中国政府」との関係だと勘違いしてる気がしてならない。「中国」と仲良くするのはいいことだと思うが、「中国政府」は間違ってるなら厳しく批判されるべきで、ここら辺の差が分からずに「中国政府の言うことをすべて認めること」が「日中友好」だと思っているとしたらこれは噴飯ものである。
というかチベットの人は(今現在は)中国人に含まれているはずで、民主党は中国人と仲良くするのならば、チベット人とも仲良くするはずなのだが、どうもそういう気はないらしい。チベット人だけ差別しているのか、あるいは中国人民のことなど眼中になくただ中国政府のご意向しか気にならないのかは知らないが、まあ所詮そんなもののようですね。
ちなみに、内政不干渉の原則は国家主権の秩序と不可分であるが、そもそも国家とは、社会契約説的な発想にしたがえば国民およびその人権を保護するために構築された存在である。
そして人権も国家主権もともに、強大な存在に対して弱小な人/国家を保護する目的で作られた原則であることを鑑みるならば、国家主権原則を盾にとりつつ人権は侵害する国家というのは、その目的において自己矛盾しているといえる。
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