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続:天皇会見1か月前ルールと「法」の崩壊

小沢幹事長がこの件について記者会見した。(読売新聞


民主党の小沢幹事長が14日夕の定例記者会見で、天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見に関して述べた内容は以下の通り。

 ――皇室外交について、どのような考えを持っているか。

 【小沢氏】どういう意味?

 ――習副主席が来日したが、天皇陛下との会見が30日(1か月)ルールにのっとらない形で行われることになった。

 【小沢氏】30日ルールって誰が作ったの。知らないんだろ、君は。

 ――2005年に。

 【小沢氏】法律で決まっているわけでもなんでもないでしょ、そんなもの。それはそれとして、君は日本国憲法を読んでいるか。天皇の行為は何て書いてある。それはどういう風に書いてある、憲法に。国事行為は、内閣の助言と承認で行われるんだよ。天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだよ、すべて。それが日本国憲法の理念であり、本旨なんだ。だから、何とかという宮内庁の役人がどうだこうだ言ったそうだけれども、全く日本国憲法、民主主義というものを理解していない人間の発言としか思えない。ちょっと私には信じられない。しかも内閣の一部局じゃないですか、政府の。一部局の一役人が内閣の方針、内閣の決定したことについて会見して、方針をどうだこうだと言うのは、日本国憲法の精神、理念を理解していない。民主主義を理解していないと同時に、もしどうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ。当たり前でしょう。役人だもん。そうでしょう。だからマスコミがそういうところを 全然理解せずに、役人の言う通りの発言を報道ばっかりしていてはいけません。ちゃんとよく憲法を読んで。そして、天皇陛下のお体がすぐれないと、体調がすぐれないというのならば、それよりも優位性の低い行事を、お休みになればいいことじゃないですか。そうでしょ、わかった?

 ――天皇陛下の健康上の問題にかかわらなければ、1か月ルールはよろしいとの認識か。

 【小沢氏】1か月ルールというのは、誰が作ったんですか、というんですよ。

 ――なくてもいいものだと。

 【小沢氏】なくてもいいものじゃない。それ、誰が作ったか調べてからもう一度質問しなさい。私は、何でもかんでもいいと言っているんじゃないんだよ。ルールを無視していいと言っているんじゃないよ。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話あるかっていうことなんですよ。 天皇陛下ご自身に聞いてみたら、手違いで遅れたかもしれないけれども、会いましょうと、必ずそうおっしゃると思うよ。わかった?

 ――小沢幹事長が平野官房長官に、習副主席と天皇陛下の会見を要請したと報道されている。事実関係はどうか。また、天皇陛下の政治利用だという議論が起こっているが、どう考えるか。

 【小沢氏】君も少し、憲法をもう一度読み直しなさい。今、説明したじゃないですか。天皇陛下の国事行為、行動は、国民の代表である内閣、政府の助言と承認で行うことなんですよ。それじゃ、国事行為は全部、政治利用になっちゃうじゃない。諸君の理解がまったくおかしいんだよ、マスコミの。そうでしょ。何をするにしたって、天皇陛下は内閣の助言と承認でと、それは憲法にちゃんと書いてあるでしょうが。それを政治利用だといわれたら、天皇陛下は何も できないじゃない。じゃあ、内閣に何も助言も承認も求めないで、天皇陛下個人で行うの? そうじゃないでしょう。

 ――平野官房長官に要請したかどうかの事実関係だけ教えてほしい。

 【小沢氏】事実関係だけというなら、先の質問は勉強してから聞きなさい、もう少し。さっきも言ったけど、政府の決めることですから、私が、習副主席と天皇陛下を会見させるべきだとか、させるべきでないとかというようなことを言った事実はありません。

 ――明日予定されていた幹事長と習副主席の会談が中止になったそうだが、この経緯は。

 【小沢氏】予定していたわけではございません。ただ、会いたいという連絡は、あったそうですけれども。非常にお忙しい日程で、3日間で、いろんな方とお会いするでしょう。私は中国に行ってきたばかりですし、お忙しいだろうと思って、ご無理なさらんでもよろしいと。

(2009年12月14日21時26分  読売新聞)



とりあえずこういう品性なき応対しかできない人を表に出しちゃいかんだろ、というのは置いておいて、やっぱりなんでこう法治国家の考え方を理解してない人が民主党には多いのかと嘆かざるを得ない。

その一。とりあえず「法律で決まっているわけでもなんでもないでしょ」と言っているが、「法」というのは政令とか条例とかそういうのを広く含めて「法」といっているわけで、立法府が制定した「法律」だけではない。で、こうした法には、内閣は内部の行為を制限するための内部にのみ効力を持つ行政規則なども含 まれる。内閣自身の行為に対しても、あらかじめ規則を設けておくことによって逸脱した行動をとらないようにすること(プリコミットメント)も可能である。 なので、あらかじめ内規によって1か月前ルールが定められているのならば、特別法は一般法に優先するという原則により、憲法よりも内規が優先される。
というか、小沢はどう見ても憲法を字義通りにしか解釈していないのだが、それいったらそもそも日本国憲法第七条は「天皇は、内閣の助言と承認により、国民 のために、左の国事に関する行為を行う」って「左の国事」に「助言と承認」の内容は限定されているわけで、字義通りに読めば国事行為の中に今回の会見に該当するものはない。(9項は「大使及び行使」しか接受する必要がなく、習近平は大使でも公使でもない)「君は日本国憲法を読んでいるか」って言っている本人がきちんと読んでないでしょ。
まあそれ以前に小沢は内閣の一員じゃないんだけどね。

その二。官僚が内閣の方針に批判的な会見をしたのが憲法や民主主義を理解していないとのことだが、とりあえず民主主義については、もしや民主主義と全員一 致を同義だと思ってやいないか、それはどこのナチスですか、と言いたくなる。民主主義を全員一致と捉えていく思想がルソーからシュミットへ、そして全体主義思想へとつながってしまうのではないのですかね。
次いで憲法についてだが、いや憲法のどこにそんなこと書いてあるの。あるとしたら国家公務員法とかそこらへんじゃないのか。まあそれはどうでもいいけど、 どうも小沢は「反対意見を述べること」と「反対行動をとること」との区別がついていない。長官も反対意見は述べているけど最終的に命令には従ったんだから 内閣の指示に従ってないわけではない。意見の違う人すら置いておけないというのはもはや独裁体制ではないのかな。

その三。「宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話あるかっていうことなんですよ。」って、そもそも誰が役人が作ったものは絶 対だなんて言っているのだろうか。というか、前に小沢が述べていた通り、省庁は内閣の一機関であるってことは、裏を返せば省庁の作ったものは最終的には内閣の責任に帰結するわけで、過去の宮内庁と外務省が作った規則ってのは内閣が作ったものとレベル感としては同じに見れてしまう。しかも「30日ルールって 誰が作ったの」ってそのときの政権与党(新党さきがけ)党首は鳩山だという。盛大なブーメランかいな。

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中国の習近平国家副主席と天皇が会見したスケジュール問題では小沢一郎の意見が完全に正しい。宮内庁長官や皇室ジャーナリストの言っている、「天皇のため」とか「天皇に失礼」という言葉こそが天皇の政治利用だろう。同じように右翼の安倍晋三元総理(実際に日本最大の右翼... [続きを読む]

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