普天間飛行場移設問題
普天間移設問題で以下のようなニュースがあった。
普天間移設「首相は辺野古以外」と防衛相
北沢防衛相は12日夕、長野市内で開かれた自身の就任祝賀会であいさつし、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、「鳩山首相が目指しているのは、日米で合意した(沖縄県名護市)辺野古に新しいものをつくりたくないという沖縄の人たちの思いを大切にした新しい案をつくることだろうと思う」と述べ、首相が 現行の移設案である辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部以外の移設先検討も含めて現行案を見直すとの見通しを示した。
その上で、米側との協議に入るのが望ましいとの考えを示した。
北沢氏は辺野古への移設について、「沖縄の県議会や県民世論(の多数)は反対で、知事が埋め立て工事の手続きをしても、県議会が不信任案を出す。鳩山内閣がリスクを取って決断しても、工事に入れないという状況があるから、我々が悩んでいる一番の動きはここにある」と指摘した。(読売新聞)
なんだろう、他にいい対案があるわけでもなく、ただ「辺野古だけは嫌だ」って、それは単なる以前の政権への無意味な感情的反発以外の何物でもないのではな いか。少なくとも、「普天間に今の飛行場があり続けるよりは、まだ辺野古に移転した方がまし」だと考えているならば、辺野古よりよい移設案を提示して比較 しない限り意味ないでしょというか、どこに移設しても何らかの反発はある以上、反発があるからダメとか言っているのは優先順位の付け方をまったく分かって いないのですねと言いたくなる。新しい案を考えてもいいけど、それはよりよい新しい案が浮かんでから言えという話。(ただ個人的には日米が10年近く(そ れ以上か)話しあってギリギリでまとまっている移転案よりもよいものが浮かぶとは到底思えないが)
もちろん「日本に基地があるのがそもそもおかしく、アメリカに撤収させるべきだ」という主張だって十分ありだけど、だったらアメリカで猛烈な情報戦を行っ て「日本に米軍基地があるのは不当であり、アメリカは速やかに基地の部分撤収をするのが道理にかなっている」と多くのアメリカ人に思わせてそれでアメリカ 政府を動かすような情報戦略とかしないと無理だろう。そういう努力を一切せず「アメリカは基地をなくすべき」とか言ってアメリカが受け入れるわけがない じゃないか。交渉が決裂したら基地は今まで通り残るんだから、そんな頭の悪い交渉方法はとらないで頂きたいものだ。
で、ニュースの最終段落で「鳩山内閣がリスクを取って決断しても、工事に入れないという状況があるから、我々が悩んでいる一番の動きはここにある」って、結局沖縄の人のせいにしてるのかよ。
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