メディア

ネット・メディア・非日常性

ネット社会の今日においては、「ニュースは新聞なんかよりネットの方がはるかに信用できる」等々の発言がなされることも多い。確かにもはやネットのどこにも載っていない情報というのは皆無に等しくなりつつあるし、情報の新しさや量という意味ではネットは既存のメディアをはるかに凌駕しているのは論を俟たない。
だが、そもそも「新聞」と「ネット」という比較自体、異なるカテゴリーのものを比較してしまっている。ネットというのは新聞とは違いメディア(媒体)ではなく、一つの「場」だと捉えた方がいいからだ。「ネットのどこかにその情報が落ちている」というのは「町のどこかには欲しいものが落ちている」というようなものであり、それと情報を限定している新聞とを比較するのはそもそも間違っている。新聞やテレビがメディア(媒体)として機能するのは、そこにおいて情報の取捨選択が行われ厳選されたもののみが伝達されるからであり、あらゆる情報が無差別にアップされていくネットは、その意味で情報の取捨選択前のデータ群の山に向き合わされるようなものである。

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世論調査と支持率のずさんさ

「「政権交代」波にのまれ 自民の支持率低迷 首相に挽回秘策は」(産経新聞) によると

衆院の任期満了が3カ月後に迫る中、フジテレビの「新報道2001」が毎週実施する首都圏世論調査(500人対象)で、民主党支持率が過去5年間で最高値を記録する一方、自民党支持率は長期低迷傾向に歯止めがかからない実態が浮き彫りになった。

とりあえず、世論調査毎週やって何の意味があるんだよ。最近はどこの社もそうだけど、世論調査しすぎ。遊んでるんじゃないのか、っていうぐらい。まさに「ゲーム感覚」

そしてどうせ3%上がった下がったとかそのぐらいで騒いでいるんだろうけど、回答500人、得られた支持率を30%として、信頼水準99%の信頼区間(誤差)は±5%もあるんだから、いったい何を騒いでいるんだかって話。(計算は一番下)

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石川旺『パロティングが招く危機』

パロティングそのものの構造はわりとうまく書けていると思うのだが、いかんせん筆者の政治的イデオロギーをベースに、(政治的に見て)一方の側のメディアの手法のみを批判するものだから、この本自体がパロティングを行っているように思えてならない。そしてそのおかげで、本書の論そのものが随所で矛盾するものになっている。

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ノーカット版中川大臣の記者会見(マスコミの情報操作は恐ろしい)

ニコニコ動画に中川の記者会見のノーカット版があった。

普通に記者と受け答えしてるんですが!

確かにあまりしゃきっとした顔ではないけど、別にコミュニケーションも正常だし。



質問を取り違えたという件についても、質問を全部起こすと

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世界とはメディアなのか~再び中川大臣の記者会見について

政治家の職務とは字義どおり政治活動及び交渉の遂行であり、政治家にとっての「世界」とはすなわち第一に「他国の政治家や官僚」を指すのは自明である。

だから、政治家の失敗というのは、他国政治家との政治交渉で失敗したような事態を指す。たとえば、自国に不利な条約を結んでしまったとか、そういうことをいう。世界に対する侮辱的行為というのも、たとえば他国の政治家を軽んじて扱うとか、そういうことを指す。

メディアサービスというのはそうしたことを押さえた上でなお余裕があるのならば行うべきことであり、政治家の評価基準は第一に政治活動の成果にかかるのは言うまでもない。


その観点から言って、中川に何か問題はあったのだろうか。

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